社団法人 埼玉県調査業協会会員
依頼者38歳男性、交際中の女性27歳の結婚調査を依頼。
二人は、結婚相談所を介し知り合い、交際に発展した。交際は順調に推移し、結婚を意識するが、過去、依頼者の両親が当時交際していた女性の身元調査を依頼者に内密で行い、その結果、結婚を諦めさせられた苦い経験があるという。現在交際中の女性は気心の知れた仲であり、調査の必要は無かったが、又両親が勝手に調査依頼されると困るので、先手を取り自ら調査をし報告書を確認した後、親に見せようと考え依頼した。想定される調査結果にも全くの不安材料は無かったわけである。ところがである。実際の調査結果は耳を疑うような内容で、依頼者には明かさなかった過去があった。水商売をしていた時期、愛人がおり、その愛人が契約するマンションに居住していた事実やその愛人と現在も切れず、定期的に逢っている事が判明。報告書を読んだ依頼者は、この内容ではとても親に見せられないと頭を抱える始末であった。
依頼者は、東北地方の歴史ある旅館の娘、実兄の嫁の態度に不審を抱き依頼。
依頼者は、結婚により東京在住。旅館経営は依頼者の長兄45歳が後を継いでいた。地元でも名の知れた旅館である。その長兄と長兄の旅館で仲居として働いていた女性35歳が結婚する。仲居として働いていた頃は、周りに気配りが効き、宿泊客に対する愛想も良く、周辺からの評判も良かったらしい。そう云った人柄に惚れて結婚に至った様であるが、いざ、妻の座に納まるや否やその態度は一変、古くから居たうるさ型の仲居や社員を追い出し、経営にも口を出すようになる。どちらかと云えば大人しいタイプであった長兄は、妻の成すがままの状態で、見守るしか無いような状態であった。この噂を東京で聞き付けた依頼者は、このままでは旅館を乗っ取られ兼ねないと危惧し依頼となった。聞けば妻には、外に男性の姿も見え隠れし、旅館のお金が流失する可能性もあった。早速、旅館を訪れ、解雇された仲居や従業員に対する聞き込みや当地に移住するまでの経歴を探る。それと平行し、妻の行動をほぼ24時間体制で監視した。得られた妻の風評は期待通りのものであり、その横暴な態度は誰もかばう者は居ないほどであった。北陸地方の片田舎で育ち、当地には後を継いだ妻の兄が実母と居住していた。両親は、小さな干物工場を営んでいたが、父親の死亡後、工場は閉鎖となった。当の妻は、地元の高校を卒業後、一旦、電機メーカーに就職したが、男女関係を起因とする人間関係で退社。その後、北陸の繁華街に所在したスナックで働いていた。そこで知り合った男性とは結婚には至らなかったが、同棲していた模様である。当時同棲していた男性も割出し、話を聞くことも出来た。24時間の監視では、業務が多忙であったせいか、プライベートに時間を費やすことが少なく、特定の男性の存在は確認されなかった。
それまで得られた情報を伝え、その後の対応を見守った。
依頼者は両親。娘の結婚相手38歳を調査依頼。
娘が紹介した男性は再婚だとは聞いていたが、前妻との間に子供はおらず、前妻とも穏便に別れていると聞いていた。紹介された時の印象もまずまずで特に気になる点はなかったと云うが、どこか影の部分もあるような気がしたので念の為の依頼となった。依頼を受けた担当者もごく一般的な調査との認識であり、特別指定事項もなく、過去の生い立ち環境や各居住地からの風評、前妻の現況確認などをメインに、中国地方のある町を訪れた。男性は、現在までに6カ所の住居異動が確認され、各居住地から得られた風評は、依頼者から伝わる内容と同様、悪評の類いは無かった。各所の取材を終え、最後に前妻の現況を確認しようと事前に割り出していた住まいを訪問する。前妻宅は、直ぐには判らないほど奥まった、築数十年を経たと思える木造平屋建ての借家であった。外壁の至る所が朽ちかけており、お世辞にも人が住めるような印象ではない。離婚後、「妻へは仕送りを欠かさず、妻も働いているので、生活には困っていない」という男性の話がにわかに疑わしくなった。実際には、離婚した妻との間には子供がおり、その事実を隠すため、転籍を繰り返していたのである。離婚に至った原因も男性の浮気であり、夫婦の時も全く家には寄り付かず、愛人宅へ入り浸る生活であった。給料も自宅へは一切入れず、全て自分の為に浪費していった。やむなく前妻は、パートに出る。離婚も男性から一方的に押し切る格好であった。後に残された前妻は、精神薄弱の子供を抱え、住まいも当時のマンションから借家へ移った。慰謝料はおろか、養育費も一切貰っていないと云う。障害児を抱えた前妻は、身を粉にして懸命に働いたと云う。この真相を目の当たりにし、親としての責任のなさや優しさの欠片もない男性の態度に怒りさえ覚えたが、別れ際、何の事情も判らず、陽気に振る舞う子供の姿が妙に印象に残った案件であった。
依頼者は29歳の女性。7年間交際の男性36歳の身元を確認したい。
男性とは、依頼女性が勤めていた店、所謂キャバクラで知り合う。男性は、情報機器を扱う会社を営み、当初から会社の社員数人を伴って来店していた。いつも陽気で話題豊富であり、二人になると優しく気遣ってくれる態度に次第に惹かれて行ったという。男性は、独身で都内に一人暮らしと聞いていた。
これまで結婚を意識した女性もいたが、結局結ばれることなく今に至った様な話だったという。
依頼女性が関東近郊であった為、会う時はいつも仕事用にと借りていた双方の中間にあるマンションだった。マンションには、電化製品や食器など家財一式が全て揃っており、最初はここが本当の自宅と思った事もあったが、スーツ・衣類の数が少なく、翌日いつも前日の格好で別れていた事から自宅は別にあると確信できたと云う。最低週に1回は逢ったり、月に2回は休みを取って旅行に出掛けてもいた。いつ電話しても本人が電話に出て、逢いたいと云うといつも会いに来てくれる。その気ままな行動から何の疑いも無かったという。そんな交際が続いたが、相手の住所も知らない交際に違和感はいつも付きまとった。ドライブや旅行を楽しんでいる時は、押さえる事もできたが、会えない時はその思いが一層募ったという。一度ドライブ中交通検問が有り、警察官から免許証の提示を求められた時、男性は慌てて車外にでて免許証を提示したことがあった。普通なら運転席から窓越しに提示すれば済む事だと思うし、疑問に思ったと云う。ホテルでの宿泊カードへは、いつも仕事用のマンションの住所を記載していたが、旅先でレンタカーの申請用紙を書く時は、心無しかいつも距離を取っていた様な気がした。次第に一緒にいてもどこか満たされない空虚な気持ちが支配し始め、我慢できなくなり男性を問い詰めると決まって「男性と一緒に暮らしている。自分だけが部屋を出ると友人に迷惑を掛ける。もう少し待って欲しい。」という言葉だった。その言葉から更に数年が経ち、結婚も意識し始め、 いつまで経ってもはっきりしない男性の態度に対し、その反動から逢えば喧嘩ばかりするようになった。自身への嫌悪感も重なり、けじめを付けるべく、調査を決意した。これまで決心しなかったのは、気持ちの中で「ひょっとすれば彼女(妻)がいるのかも」という現実逃避の気持ちが働き、男性を失う事が怖かったのかも知れないと云う。
男性の住まいや結婚の事実は、ドライブに使う車のナンバーや法人登記簿などから簡単に判明した。